冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

文楽

10回目の素人義太夫発表会が終わりました

毎年8月下旬に開かれる素人義太夫の発表会が終わりました。豊竹呂太夫師匠にご指導いただいている素人弟子四十数名が観客の前でお稽古の成果を発表する催しです。 私は今年、入門10年目。「絵本太功記」という長い作品の最後の部分「十段目 尼ヶ崎の段」(通…

義太夫の「リモート稽古」

素人弟子として豊竹呂太夫師匠に教えていただいている義太夫も、今年で10年目。毎年、「絵本太功記十段目 尼ヶ崎の段」の一部分をお稽古して、夏の発表会ではお客様の前で語ってきました。 ところが、私にとって10年目の節となる発表会を目指してお稽古に励…

義太夫と能で「小鍛冶」(大槻能楽堂)つづき

義太夫「小鍛冶」です。 照明が暗いので、これでは床本(ゆかほん)が読めないのでは? といぶかっていると、舞台上だけ照明がつきました。常よりはやや暗めです。 目付柱に向かって細長く台が置かれ、緋毛氈が敷かれて床の体裁が整っています。向かって左に…

絶品でした! 呂太夫師匠の「堀川猿廻しの段」

昨日、文楽4月公演の第2部を見てきました。演目は「祇園祭礼信仰記」の金閣寺の段と爪先鼠の段、そして「近頃河原の達引(たてひき)」の四条河原の段と堀川猿廻しの段でした。堀川猿廻しの段の「後」を、私が素人弟子として師事している豊竹呂太夫師匠が語…

義太夫発表会は無事に終わりました

日曜日の素人義太夫発表会は無事に終わりました。 11時に開演して、私は夕方5時過ぎの出番。ドキドキする時間が長くて嫌だなあと思っていたのですが、会場でほかのお弟子さんの語りを聞いたり、楽屋で個人稽古の録音を聴き返して脳内稽古(?)をしたりして…

素人義太夫発表会が近づく

私は六代豊竹呂大夫師匠に師事して、素人弟子として義太夫を習っています。習い始めたのは、つい先日のように思うのに、もう入門8年目になりました。 毎年8月末の土曜日に開かれる発表会が、今年は会場の都合で9月2日(日)になりました。総勢41名が参加しま…

初めて見た「大塔宮曦袂」

文楽夏休み公演の第2部で見たもう一つの演目は「大塔宮曦袂(おおとうのみや あさひのたもと」です。大作ですが、今回はそのうち「六波羅館の段」と「身替り音頭の段」が上演されました。 この演目は長く上演が途絶えていたのを、昨年、東京公演で復活上演さ…

清治さんの三味線に涙…「卅三間堂棟木由来」

もう終わってしまった文楽の「夏休み特別公演」。今日になって、やっと感想を書く時間と意欲ができました。 私が見たのは第2部の「名作劇場」。演目は「卅三間堂棟木由来(さんじゅうさんげんどう むなぎのゆらい」と、「大塔宮曦鎧(おおとうのみや あさひ…

文楽鑑賞教室で「絵本太功記」を聴く

先日、国立文楽劇場で行われている文楽鑑賞教室という催しに行きました。初心者にもわかりやすく文楽を紹介するイベントで、毎年今頃の時期に行われています。 はじめに「寿式三番叟」を上演。私はこの演目が大好きなので、ワクワクしました。能の「翁」から…

「本朝廿四孝」続き

「本朝廿四孝」というと、八重垣姫という深窓の令嬢と狐たちが活躍する「十種香の段」「奥庭狐火の段」が知られています。実際、歌舞伎ではこちらのストーリーしか上演されないようです。 実は「本朝廿四孝」は壮大な物語で、主に二つのストーリーがあり、互…

文楽4月公演「本朝廿四孝」ほかを見ました

先日、国立文楽劇場で4月公演の昼の部を見てきました。プログラムは次の通りです。 本朝廿四孝(ほんちょう にじゅうしこう) 桔梗原の段 吉田幸助改め五代目吉田玉助襲名披露口上 景勝下駄の段 襲名披露狂言 勘助住家の段 義経千本桜 道行初音旅 吉田幸助改…

初春文楽公演 「良弁杉由来」など

ここで写真を2枚、アップしておきます。 舞台前方の天井に飾られる、毎年恒例の額と鯛です。 額の文字は、今年は東大寺の方が書かれていました。二部の演目「良弁杉の由来」の主な舞台が東大寺なので、そのゆかりでしょう。 鯛は、ギョロ目で可愛らしい。 …

初春文楽 呂太夫が語る「俊寛」の深さ

「平家女護島 鬼界が島の段」は通称「俊寛」。平家物語に材をとった能の曲「俊寛」をもとに、近松門左衛門が書いた作品です。初演の翌年に歌舞伎にも取り入れられています。 『歌舞伎ハンドブック』(三省堂)から、あらすじを紹介します。(適宜、改行しま…

初春文楽「摂州合邦辻」

上演中の初春文楽公演を一部、二部ともに見ました。今回の公演は八代目竹本綱太夫五十回忌追善と豊竹咲甫(さきほ)太夫改め六代目竹本織太夫襲名披露の公演です。 その「口上」は一部で行われました。正面に八代目竹本綱太夫のモノクロ写真。私はこの方を存…

文楽11月公演 「心中宵庚申」「紅葉狩」

木曜日に大阪の国立文楽劇場で「心中宵庚申(こうしん)」と「紅葉狩」を見ました。どちらもこれまでに何度か見たことのある演目です。 「心中宵庚申」は近松門左衛門作。お千代と半兵衛という、恋人同士ではなく夫婦が心中するところが珍しい。現実に起きた…