冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

「国宝展」で龍光院所蔵の曜変天目茶碗を見ました

 京都国立博物館で開かれている「国宝展」に行ってきました。
 人混みは苦手なので、行くつもりはなかったのですが、先日放送された「日曜美術館」で大徳寺龍光院所蔵の曜変天目茶碗が展示されていると知り、「ぜひ見ておかなくては」と思い立ったのです。

 国宝の曜変天目茶碗は三つあり、東京の静嘉堂文庫美術館、大阪の藤田美術館、そして京都の大徳寺龍光院に所蔵されています。
 静嘉堂文庫美術館曜変天目こちら
 藤田美術館曜変天目こちら をご覧ください。

 前の二つは以前、見たことがあります。しかし大徳寺龍光院所蔵の茶碗は美術館の所蔵品とは違い、展示・公開される機会が滅多にないのです。

 空は青く晴れわたり、気温もほどほど。絶好の行楽日和でした。これでは混むだろうなと予想していましたが、予想以上でした。
 京都駅前のバスターミナルに博物館に行くバスが出る停留所が二つありました。一方は10メートル、もう一方は15メートルくらいもの行列が続いています。博物館では80分待ち。それでもどちらも案外スムースに進み、館内に入ることができました。

 ところが、曜変天目茶碗を最前列で見るためには、また行列しなければなりませんでした。やっとたどり着いたと思ったら、係の人が「立ち止まらず、ゆっくり歩きながらご覧ください」。結局、1分も見ていられたかどうかわからないくらい、短い時間の出会いでしたが、その印象は目に焼きつきました。

 ガラスケースに収められているからか、ずいぶん小さく見えます。今までに見た曜変天目に比べると、曜変の文も小ぶりですが、くっきりしています。丸く浮き出た文が並んで、小さい花のように見え、愛らしい。異国の年若い姫君というイメージです。
 内側にしか文がないので、最前列から離れると、全体の姿しか見えません。天目茶碗独特のすっきりしたラインです。

 ここまででもう疲れきってしまいました。人が多すぎて、いるだけでしんどくなります。ほかの展示品は急ぎ足でざっと見ただけ。館外に出て、敷地内のベンチで一休みしたときはホッとしました。

 後で、ボランティアスタッフを務めている人から聞いたところでは、金曜日の夕方4時頃が狙い目なのだそうです。
 金曜は夜も開館しており、昼間の入場者は3時半頃から減るし、仕事帰りの人は6時頃にならないと来ないのだそうです。
 もう一度展示替えがあるので、元気があれば金曜のその時間帯を狙って行ってみるつもりです。

曜変天目茶碗の展示は10月29日までです。今日を含めて三日間ですね!