初釜の装い
7日は茶道の先生宅で初釜が行われました。私が師事しているのは 80代後半の女性の先生ですが、50代の息子さんも先生で、主に若いお弟子さんを教えておられます。両方のお弟子さんを合わせると、40人を超す大所帯です。
いくら先生のお宅が広いと言っても、そんな大人数が一どきに押し寄せては大変。そこはよく考えて、1時間ごとにお席を区切り、どのお席に誰が入るかを前もって決めておいてくださったので、ゆったりした気分で過ごすことができました。
先生と息子さんがなさる濃茶席、お弟子さんの一人でこの度「教授」という許状をいただかれた女性が主催される薄茶席。あとは先生がご用意くださった豪華なお弁当を和やかにいただくお席でした。
私は「11時からのお席にお入りください」と前もってお知らせいただいており、それはいいのですが「お正客をお願いします」と言われてしまいました。お正客って、責任重大なのです。とてもできないと思いながらも、お断りすることもできず、いっぱい恥ずかしい思いをしながらなんとかこなしているのがこの数年の初釜です。
庭のつくばいが清々しく整えられ、メインのお茶室(濃茶席)の床には「青松多寿色」の軸。結び柳や橙、海老、米俵の飾り物、竹花入に紅白の椿。宝尽し紋のぶりぶり香合。お点前のお道具も浜辺の松、雲と鶴などお正月を表現するようなめでたいものばかりです。
薄茶席には青い花入に水仙が一輪。古色を帯びた小ぶりの釜と、ハンガリーの白磁の水指(みずさし)が見事に合って、数々用いられた茶碗からは平和を願う席主の心が読み取れました。