冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

今になって気づいた「三段切れ」

 まつやま俳句ポストで「並選」に入れていただいた句


    雨戸繰る老母不在や夏の草


 これって「三段切れ」やん! 今頃になって気づきました。

 例えば拙句

    芍薬や玻璃の器の大吟醸

 の場合、上五は切れ字「や」で切れていますが、中七から下五へはつながっています。そのおかげで読んだときの心地よさが生まれていると思います。

 ところが「雨戸」の句は、雨戸を繰っているのは老母ではないので、「雨戸繰る」でいったん切れています。「老母不在や」は切れ字「や」で切れています。そして下五は当然切れますから、三ヵ所でぶつぶつと言葉が中断してしまい、調べが整っていないのです。
 これを「三段切れ」と言い、初心者がやってしまいがちなミスの一つです。

    雨戸繰る老母不在の夏の草

 とすればよかったのです。
 今ごろ気づくなんて! この句をよく「並選」に入れてくださったものです。
 まだまだ基本ができていないのでした。