冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

俳句ゼミ、春の句会

 一昨年の秋から受講している初心者向け俳句ゼミ、今日は3カ月に一度の句会でした。参加者は先生を含めて14名。私が受講し始めてから一番人数の多い句会になりました。

 今回、3句のうち1句は「雛祭」またはその関連の季語を使った句を詠むことが課題でした。といっても、そこは初心者向けですから、「できればそうしてね」という程度の、ゆるーい決まりです。

 私は次の3句を投句しました。

    初孫の乳の匂ひや雛祭

    狭き戸を出でし棺や雪柳

    啓蟄やわづかに増えし骨密度

 受講生が順番に佳作2句と特選1句を発表して行き、ほかの人たちの句がつぎつぎと選ばれる中で、私の句はちっともお声がかからず。ようやく「初孫の」に佳作一人、「狭き戸を」に佳作一人、「啓蟄や」に佳作二人という寂しさ。すっかりしょげてしまいました。

 最後に講師の先生が佳作3句と特選3句を発表されました。そして、「初孫の」が佳作に、「啓蟄や」が特選に選ばれたのです。うれしい〜! 3句のうち2句まで選んでいただけるなんて、思ってもみませんでした。

 とりわけ「啓蟄や」は自分では気に入っていたものの、先生はとらないだろうなあと何となく想像していました。それが特選とは! 意外でしたし、こういう句もOKなんだと思うと、これからの句作の励みになりました。

 一方、私が特選に選んだのは
 

    萌黄色桃色和菓子店に春

 この句は先生の作でした。私のほかに、一人が特選、二人が佳作にとっていました。
 佳作には

    春ショール巻きつつ次の約束へ

 これも先生の句でした。私のほかに二人が佳作としていました。

 残る一句はさんざん迷った挙句、

    過疎の里嫗(おうな)の集ふ雛祭

 にしました。これは今回初めて句会に参加された80代くらいの男性の句でした。私のほかには誰もとっていませんでした。

 今回、投句した句は、どれもかなり早い時期にできていたもので、初めて気持ちにゆとりを持って句会に臨むことができました。
 こんなこともあるんですね! めったにないことかもしれませんが。