一昨年から月1のペースで通っている初心者向け俳句講座、昨日は3カ月に一度の句会でした。兼題は「六月」と「黴(かび)」。3句まで投句でき、そのうちの1句か2句はできればこの季語を読み込むという課題です。それ以外は夏の季語を自由に選んで構いません。
私の句は
六月や青磁香炉を手から手へ
お茶の稽古でお香を聞くために香炉を手渡しで回しているときの様子を詠みました。六月は湿気の多い時期。湿度が高いと、香りが強く感じられます。夏に使うお香は白檀で、上品な良い香りがするのです。
この句に、受講生一人の特選、一人の佳作、そして講師の先生の特選をいただきました。受講生の方からは「青磁香炉の色や触ったときのひんやりした感じが季語とよく合っている」。先生からは「梅雨冷えの季節と青磁香炉の取り合わせが良い」との評をいただきました。
ほどきたる母の着物や花に黴
これは、本当は母ではなくて義兄のお母さんで、何枚か着物を譲ってもらいました。その中の一枚に、地色がとてもきれいな紫色の訪問着がありました。ところが、柄の花のところに汚れが付いているのです。この花は桜ではなくて、季節を選ばない、いわゆる「時なしの花」です。
うまくいけば取れるかもしれないと、悉皆屋さんに持っていくと、「この汚れは黴で、取れません」と言われてしまいました。がっかりでした。着られない着物ですが古着として捨てるのは気が進まなかったので、ほどいて汚れていない部分だけでも使うことにしました。このときのことを思い出して詠んだのです。
事実は、黴が生えた→ほどいた なのですが、そのとおりの順序で作ってみるとどうにも格好がつきません。何度か手直しをして、上のような配置にしたのです。
この句は受講生二人の特選と3人の佳作をいただきました。それだけでもうれしかったのに、先生の特選にも選ばれました! 受講生の方からは「黴のイメージを覆すような華やかな句」「お母さんへの思いが感じられる」「着物に馴染んでいた昔を思い出す」などの評。先生は「ユーモアや残念さが感じられる」とのことでした。
残る一句、
腕長きクロール吾子は身重にて
は、受講生一人の特選をいただきました。娘がマタニティスイミングをしていたときの様子を想像して詠んだものです。手足の長い子なので「腕長き」としてみました。
先生の特選1と佳作1をいただいたことはこれまでにもありましたが、特選を2つももらったのは初めてです。やった! 先生の特選は3句で、もう一つの句は
眼帯をして六月の匂ひかな
でした。この句、私は佳作に選んでいました。
出席した受講生は9人。句会はこれくらいの人数がやりやすいです。1時間半という限られた時間の中で、一人ひとり、自分が選んだ3句についてどこが良かったかを語ることができましたし、先生も特選と佳作(5句)の句について講評された後でいくつかの句について添削をされました。これがとても参考になりました。
このところ良い成績が続いている私。この調子で俳句を続けて行きたいです。