冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

この間のできごと(メモ)

 忙しくて、記事の更新を怠っているうちに、あっという間に2カ月近くもたってしまいました。この間、書こうと思いながら書かずじまいだった事柄をメモっておきます。

8月上旬

・神戸にある夫の実家の墓地へ車でお墓参りに行った帰り道、渋滞を避けて六甲山を通ったら、ヒグラシが大合唱。クマゼミアブラゼミの声はよく耳にしますが、ヒグラシは久しぶりです。まだ暑かったけど、季節の移ろいが感じられました。

白鷹禄水苑(西宮市)の催しで奈良の天河弁財天へバスツアー。拝殿に向かい合った能舞台で味方玄さんの謡と久田舜一郎さんの小鼓に聴き惚れました。味方さんは以前から私の大好きな能楽師さんですが、この日は久田さんの小鼓の音色に衝撃を受けました。最初の一打で辺りの空気が一変するのを感じて、鳥肌が立つような思いをしました。至近距離でお二人の演奏を何曲も(「翁」の神歌、「唐船」のキリ、「弱法師」の一部、「養老」の一部など)聴くことができ、贅沢極まりないひとときを過ごしました。

・夏風邪を引き、五日ほど体調不良に。暑くてもとても元気に過ごしていたのに、なぜ風邪を引いたのか、謎です。

・身内にうれしくてめでたい出来事があり、このあと、忙しさが加速しました。

8月中旬

文楽劇場で呂太夫師匠の素浄瑠璃「熊谷陣屋」を聴きました。登場人物の心情がくっきりと浮かび上がり、今までで一番感動した「熊谷」でした。弥陀六という人物の魅力が初めてわかったのも収穫。

8月下旬

・山の会の例会に参加してハイキング。8月はこの1回だけでした。猛暑のさなかでしたが、曇りがちだったからか、山歩き中の気温は25℃。爽やかな風が吹き渡って快適に歩けました。

8月末

・素人義太夫の年1回の発表会(本当はもう1回、あるのですが、私はそちらには出ていないので)。今年も難しかった。でも、舞台に上がり、始まってしまえば、あとは楽しめました。入門以来、1年に一部分ずつ語ってきた「絵本太功記十段目」、来年はついに段切り(最後の部分)です。

9月上旬

・山の会主催の講習会でコンパスと地図の使い方を実地にトレーニング。新しく入った会員対象の催しです。新会員一人に研修部の方がほぼ一人つくという手厚さ。おかげでよく理解できました。でも、実際にしょっちゅうコンパスを使った地図読みをやっていないとすぐに忘れてしまいそう。

・秋の句会。「秋雨や更地となりし父母の家」という句で講師の先生の特選をいただきました。

・大津伝統芸能会館で能「鵺(ぬえ)」を拝見。シテは林宗一郎さん。3分の1くらい眠ってしまい、鵺の悲しみを感じ取るには至らず。

・神戸の湊川神社神能殿で能「三輪」を拝見。シテは観世清和さん(観世流ご宗家)。 ほとんど起きていられました。後シテが舞う神楽が五感に心地良く、自分の体のDNAに刻み込まれた何かが喜んでいるように感じられました。

9月中旬

・そらまめさんにリーダーになってもらい、芦屋川からごろごろ岳へハイキング。平日だからかあまり人気のないコースなのか、蜘蛛の巣がわんさか張っていて、先頭を歩く人がストックでそれを払いながら進んでくれました。感謝です。20日ほどブランクがあいた後の山歩きで、とても楽しかった!

・京都観世会館で能「橋弁慶」「龍田」を拝見。眠くならずにしっかり起きていられました。「橋弁慶」は舞、謡、お囃子のリズムが調和していて聴き惚れました。「龍田」は詞章の描くイメージが素晴らしく美しい。紅葉の盛りの季節ではなく、晩秋、龍田川に散り敷いた紅葉を薄氷が閉ざしている情景を取り上げるところ、なんという感覚の鋭さ、センスの良さでしょう。和歌を下敷きにしているのです。作者は金春禅竹といわれています。

・山の会の例会で北摂大峰山へ。予想最高気温が33℃という日で、山を歩いていても今までで一番暑かった。登りがかなり険しく、下りもわりと急な道が続きましたが、歩ききれたので自信がつきました。山歩きの後、三田にあるキリンビールの工場を見学。そして試飲。よく冷えたビールの美味しかったこと!

というような日々でした。