冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

木曽駒ケ岳に行ってきました

 中央アルプスの最高峰、木曽駒ケ岳に行ってきました。標高2,956m。私史上、最高の高さです。山の会で知り合ったユコリンさんが私のようなアルプス初心者を含めて4人を連れて行ってくれたのです。感謝、感謝です。

 4日(火)、大阪を朝8時半に出る高速バスに乗り、長野県で路線バスに乗り換えて、駒ヶ根市にある駒ヶ岳ロープウェイのしらび平駅へ。ロープウェイに乗ったのは2時ごろだったかな(記憶があいまいです)。しらび平は標高1,661m。ここから終点の千畳敷駅まで、7分半で一気に1,000m近くを登ってくれます。なんて楽チンなんでしょう。

 降りると、広大な千畳敷カールが広がっています。たいした苦労もせずに 憧れの千畳敷カールまでたどり着いてしまい、なんだか狐につままれたような気持ちです。カールというのは山腹が氷河によって削られた地形で、ネットでは「アイスをスプーンでえぐったような形」という表現をよく見かけます。

 千畳敷カールの広大な緑の斜面を眺めながら、小さめの岩がゴロゴロした急な坂を登って行きます。以下、写真はクリックすると拡大します。

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 道はよく整備されているのですが、歩きやすくはありません。途中、あちこちに高山植物が咲いていて、ユコリンさんが名前を教えてくれます。よく知っている名前もあり、初めて聞く名前もたくさんありました。ほとんどはごく小さな花ですが、色や形が美しく可愛くて、気品が感じられます。

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 上と下のどちらかがシナノキンバイ、どちらかがキンポウゲです。

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 名前を忘れた花が多いのですが、下の写真はイワツメグサ。

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 イワギキョウ。

 

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 1時間ほどでこの日の宿、宝剣山荘(山小屋)に着きました。

 翌朝はご来光を拝み、

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 6時半に山小屋を出発。また山小屋に戻るので、不要な荷物は置いていきました。1時間ほどで木曽駒ヶ岳山頂に到着。お社が祀られています。

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 高い山は信仰と結びついているところが多いですね。

 眺望の素晴らしいこと! 槍、穂高、乗鞍、御嶽山南アルプス連峰、その向こうに富士山も見えます。いつまでも眺めていたい絶景でした。写真ではとても表現できません。

 

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 稜線を歩いて濃ヶ池分岐、濃ヶ池、駒飼ノ池を経て宝剣山荘に戻るコースを歩きます。これが予想以上にハードでした。ほとんどの部分がゴツゴツした岩場で、登ったり下ったりの繰り返し。沢も何度か渡りました。しんどくて、あえぎながら歩くのですが(空気が薄いので、よけいにきつく感じられるのでしょう)、下界と違って気温は低めだし、爽やかな風が吹き渡り、なんとも言えず気持ちがいいのです。しかも、好天に恵まれて山々の姿は美しく神々しく、高山植物がいたるところに見られて心が癒され、至福のひとときでした。

 

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 チングルマ

 

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 ハクサンフウロ

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 ウスユキソウ。

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 昼過ぎ、宝剣山荘に戻って一休み。荷物を整えて下山します。来た時と同じ道を下ってロープウェイの乗り場へ。この日は結局、5時間半ほど歩き(プラス花の写真を撮るなどの休憩に1時間半くらい使い)、累積標高差は登りは463m、下りは687mでした(ユコリンさんの記録を教えてもらいました)。帰りは路線バスを途中下車して温泉に入り、汗を流しました。昨日の朝、出発したバスターミナルには夜10時前に着きました。

 行く前は、期待とともに不安もあり、帰ってきたとき、「もう二度と行きたくない」と思うか、すっかりハマってしまって、「またすぐにでも行きたい」と思うのか、予想がつきませんでした。今の気持ちははっきりと後者です。

 

*このコースは人気が高いので、例年、この季節は混み合うそうです。今年はコロナの影響で人が少なくて、ゆったり楽しめました。山小屋はコロナ対策がしっかり取られていて、寝るときはめいめい寝袋を持参。用意されている布団の上に寝袋を置いて寝ました。