冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

上高地〜(紅葉の)涸沢カールに行きました その3

 3日目。朝からよく晴れています。地形の関係で、ご来光は拝めません。その代わりに「モルゲンロート」という現象を見ることができました。山の斜面が朝焼けに照らされてバラ色に輝くのです。じっと待っていると、次第に色が濃くなり、

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 やがて消えて行きました。写真はクリックすると拡大します。

 この日は1日目と2日目で歩いてきた道を一気に引き返します。途中、足を滑らせて転んだ人がいましたが、怪我はしなかったようです。昨日よりも登山者が多くて、何度もすれ違い、道を譲ったり譲られたりしました。やや急な下り道を横尾まで下りて、ほっと一息。

 横尾から徳澤ロッジまでは各自、自分のペースで歩くことになりました。緑に覆われた散歩道。

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 眼に映るものすべてが美しくて、何度も立ち止まって写真を撮りました。屏風岩も青空に映えて、昨日よりすっきりときれいに見えます。

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 おかげで徳澤ロッジ到着は一番遅いグループの一人になりました。

 先に着いたスタッフさんがロッジに預けてあった荷物を引き取ってくださっていたので、自分の分を受け取ります。ここから上高地のバスターミナルまでは2時間余りの自由行動。昼ごはんもめいめい食べます。

 私は1日目からときどきお話ししていた女性と二人で明神までゆっくり歩きました。私はこのときはまだ足も体も疲れておらず、余裕があったのですが、この方がお疲れ気味だったので、歩調を合わせました。おかげで山の景色を楽しみながら歩くことができました。

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 明神でこの方と別れ、私は穂高神社にある明神池に行ってみることにしました。ずっと昔、家族で上高地に来たときも、ここまでは来なかったのです。ガイドさんが「右岸ルートもいいので、時間があればぜひ行ってみてください」と言っていたので、歩いてみたいと思ったのです。

 明神には「穂高奥宮」の柱が建っています。この奥に、鳥居や社殿があり、拝観料300円を払って入らせていただきます。

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 明神池は二つありました。高地の池にふさわしいひっそりと神秘的な風情です。

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 穂高神社を後にして、右岸ルートを河童橋へと下ります。この道の素晴らしかったこと!

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 木道が続いたり、階段もあり、平坦なところもあり、変化に富んでいます。樹林の合間を縫って歩いて行くので、木漏れ日が美しく、空気が爽やかです。

 こんな池もありました。

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 一瞬、大正池? と思ってしまいましたが、大正池はバスターミナルより南にあるので、勘違いでした。

 左岸ルートだと1時間ほどで河童橋に着きますが、右岸ルートは1時間半くらいかかります。でも、その行程がずっと快適でした。右岸ルートを歩いてみてよかった! 「上高地に行ったら右岸ルートを歩かないと意味がない」とまで思いました。

 河童橋からの眺め。

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 右岸ルートを急ぎ足で歩いたので、一気に筋肉痛になってしまいました。帰りに平湯温泉の日帰り入浴できる施設に寄って汗を流し、

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 さっぱりして帰途に就きました。

 今回のまとめ。涸沢カールの紅葉を見るのが目的の一つでしたが、まだ三分ほどでした。紅葉の盛りは短いので、タイミングを合わせるのは難しそうです。それよりも、涸沢カールそのものが、私の抱いていたイメージとは少し違っていました。樹林帯が少なくてやや荒れた印象。昨今の大雨による変化らしいです。結局、涸沢カールで一番強く印象に残ったのは中秋の名月でした。

 上高地は右岸ルートが素晴らしかった! 大したアップダウンがあるわけでもないので、かなり年をとってからでも、また歩きに行けそうです。