佐保川堤、満開の桜(奈良)
1日(金)、山の会のAランク例会で奈良に行きました。「万葉紀行」というシリーズの一つで、近鉄新大宮…佐保川堤の桜…緑地…大佛鉄道記念公園…狭岡神社…万葉苑…多聞城跡…聖武天皇陵…光明皇后陵…転害門…近鉄奈良というコース。どこにも「山」や「峠」の文字がないのが気になったけど、奈良の桜が見たくて参加することにしたのです。
というのも、この春の桜は開花宣言が出たかと思うと、いつの間にかどんどん咲いています。ウクライナのことが気になるからか、家の近所の桜を見てもちっとも心が浮き立ちません。奈良の桜を見たら、少しは気分転換になるかな、と思ったのでした。
それにこのシリーズ、SLさんとしていつも同行してくださる女性の会員さんが古代の歴史や万葉集の和歌に詳しく、解説がとても面白いという評判を聞いたので、それも楽しみでした。
ところが当日、集合場所に行ってみて、その会員さんは欠席されることがわかりました。なんでも新型コロナの濃厚接触者になったそうで、ご自宅を出られないらしいです。残念! CLさんは今日めぐる万葉の歌碑に彫られている和歌とその現代語訳を書いた資料を配ってくださり、「今日は自習でお願いします」とおっしゃいました。
新大宮の駅から少し歩くと、佐保川堤の桜が見えてきました。
そばまで行ってみると、なんという素晴らしい眺めでしょう! 川の両側に桜並木がずっと並んで、それが延々と続いているのです。川沿いに歩き、川を渡り、堤を歩いて、ときどき写真を撮りながら満開の桜を心ゆくまで楽しみました。
ところどころに歌碑が立っていました。
「うち上る 佐保の川原の 青柳は 今は春へと なりにけるかも」 大伴坂上郎女
写真の句碑は古びた石で歌も古い表記ですが、新しい石に現代語で彫られた句碑が多かったです。
参加者の一人が宮中の歌会始のように声を出し節をつけて朗々と読み上げます。その後、「はい、皆さんもどうぞ」と言われ、参加者も真似をして読み上げました。この「万葉紀行」シリーズの例会では、そういうシステム?になっているらしいのです。初めはちょっと戸惑いましたが、和歌は声を出して読んだ方がよく味わえるし、声を出すととても気持ちがいいので、機嫌よく唱和しました。
大佛鉄道記念公園には枝垂れ桜が満開です。
狭岡神社。
ここでは石段をずっと登りましたが、段差の小さな石段だったので楽ちんでした。
万葉苑という広々とした野外施設でお昼ご飯。残り3つのスポットを訪ね、転害門で解散しました。転害門前にはバス停があって、近鉄奈良行きのバスが多数出ていたので、それに乗って奈良駅まで帰りました。
結局、この例会は全然、山には登りませんでした。歩いたのは舗装路ばかり。Sランクの例会ならともかく、Aランクの例会にこんな街歩きのコースがあるなんてちっとも知らなかった! でもそれがかえって新鮮に感じられました。何よりも佐保川堤の桜があまりにも見事だったので、それだけで心が満たされました。