冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

羽生結弦が引退

 先日、私の大好きな羽生結弦選手が引退を発表しました。競技に出場するのをやめるだけで、アイスショーには引き続き出るとのことで、ほっとしました。

 スポーツ観戦は苦手なのですが、フィギュアスケートだけは別で、いつもテレビで見ています。荒川静香鈴木明子が好きでした。でも、羽生結弦が登場してからはこの人に魅せられ、競技大会の中継が放送されると、録画して彼の演技だけを見るようになりました。演技が始まる瞬間から終わる時まで、一瞬も目が離せず、食い入るように見入ってしまいます。

 どこがそんなにいいのかというと、月並みな言葉しか思いつきません。長い手足、しなやかでキレが良く、スケールの大きい、洗練された演技、選曲のセンスの良さ。

 彼の特徴はやはり中性的な魅力でしょうか。まるで宝塚歌劇のような衣装をなんの違和感もなく着こなすなんて、今までの日本の男性スケーターにはなかったタイプです。

 中性的ではあっても、「柔よく剛を制す」という言葉のとおり、中身がきわめて強靭です。軟派ではなく硬派なんですね。それに、抽象的な表現になりますが、「精神性の高さ」というものが感じられます。

 今週はテレビで羽生結弦特集が複数、放送され、録画したのですが、忙しくてなかなか見られません。ちょっとだけ見た場面では、しきりに「ファンの皆さんの期待に応えようと」という言葉を語っていました。いつもファンの期待に応えなくちゃいけない、そう考えていなくちゃいけないなんて、しんどい人生だなあと気の毒になりました。スケートをやめない限り、解放されることはないのでしょうか。

 以前から、競技よりもエキシビションでののびのびした演技を好もしく思っていました。アイスショーも、競技とは別の魅力が発揮されて楽しいです。といっても、いつもテレビで見ているだけです。大阪でも開かれているらしい。チケット、高い上に手に入りにくいんでしょうね。一度、ぜひ生で見てみたいと思っています。