冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

「はじめての俳句」講座に参加しました

 某カルチャーセンターで開かれた「はじめての俳句」講座に参加してきました。

 月に一度のペースで3カ月続く、短期の講座です。
 講座が始まる前、隣に座っている方にお聞きしたところでは、3回を1クールとして、ずっと続けていくこともできるのだそう。その方は1年を過ぎたところだとおっしゃっていました。

 参加者は10人ほど。女性ばかりでした。 
 講師の先生は50代くらいの女性です。
 初参加の受講生が4、5人いたので、俳句について、基本のお話をしてくださいました。
 俳句とは、「毎日生かされている喜びを俳句にとどめることで小さな宝石を作り、未来の自分に残す」ものなんですって。
 なんて素敵な表現でしょう。

 俳句を作るには、まず俳句を鑑賞する力をつけることが大切なのだそうで、配られたプリントには先生が選んだ8句が並んでいました。どれも秋の季語を使ったものです。
 芭蕉

   名月や池をめぐりて夜もすがら

という句や、富安風生という人の

   よろこべばしきりに落つる木の実かな

という句が並んでいる中で、私が一番心を惹かれたのは、加藤楸邨(しゅうそん)の

   秋刀魚食ふ月夜の柚子を捥(も)いできて

でした。


 秋刀魚を食べようとして、そうだ、庭に柚子がなっているから、あれを捥いできて果汁をかけよう、そうすればもっと美味しくなる。といったような意味です。
 秋刀魚が焼ける匂いと煙、まだ青い柚子の香り。それらがたまらないほど食欲を誘います。幸せが感じられる豊かな食卓です。きっと一人きりではなくて、誰か仲の良い人と一緒に食べているのでしょう。
 「月夜の柚子」という表現が見た目にも美しく、耳にも心地よい。
 ここはスダチでもなくカボスでもなく、柚子ですね。

 3回目の講座には自分で作った俳句を持ち寄って、句会を開くのだそうです。楽しそうだなあ。ワクワクします。