能「翁」を見ました
4日、大槻能楽堂で「翁」を見ました。今年初めての観能です。
主な出演者は次のとおりでした。
翁 観世銕之丞(てつのじょう)
三番叟 野村萬斎
千歳 観世淳夫
面箱 野村太一郎
笛 藤田六郎兵衛
小鼓 頭取 大倉源次郎
大鼓 河村 大
「翁」を見るのは昨年のお正月に続いて二度目です。細部は覚えていないので、今回も「固唾を飲んで見守る」という気分でした。翁の荘重さ、三番叟の力強さ、千歳の若さ。それぞれの持ち味の相乗効果でめでたさが最大限にまで高まります。
翁の観世銕之丞は声量豊かなバリトンの声の持ち主です。この曲ではその魅力が遺憾なく発揮され、さながらオペラのようでした。
三番叟は昨年、野村万作(萬斎のお父さん)で見て、80代半ばとは思えないほどの身のこなしの軽さと、その年齢ならではの重々しさとの程よいバランスに魅了されました。
萬斎の三番叟は、以前、テレビで見たことがあり、跳躍を繰り返す場面でジャンプの高さに驚いたものです。今回、そのすごい跳躍をじかに見ることができました。
ほかの部分でもキレが良く、しかも軽くはならないところがさすが親子です。
翁も三番叟も舞台の中央や左右の端の位置で客席に向かって邪気を払う所作をする場面があり、それを見ていると心身が清められる気がしました。能楽堂の中に清新なパワーが満ちていくように感じられます。
去年に引き続き、今年も元気をいただくことができました。「翁」っていいなあ、好きだなあ。
会場は満席。立ち見客も数名。着物姿の女性が多くて、華やかです。私も着物を着て行きました。その装いについては別に書きます。