冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

能「古演出による 葵上」

 昨日、大槻能楽堂で能「葵上」を見ました。「古演出による」という小書が付いています。出演者は次のとおりです。

   前シテ 六条御息所の生霊、後シテ 六条御息所の怨霊  浅見真州(まさくに)

   ツレ  青女房   浅見慈一、竹富康之、大槻裕一

   ワキ  横川小聖  福王茂十郎

   ワキツレ 朝臣   喜多 雅人

   アイ  善竹隆司

   大鼓  辻 芳昭

   小鼓  林吉兵衛

   太鼓  中田弘美

   笛   貞光義明

   後見  齊藤信隆、大槻文藏

   地謡  寺澤拓海、水田雄唔、齊藤信輔、寺澤幸祐

       山本正人、上野雄三、赤松禎友、山本博

 

 会場で配られた資料から、あらすじを転載します。

 左大臣の娘、光源氏の北の方(正妻)である葵上が物の怪に取り付かれ病に臥せっている。医者にかかっても、加持祈祷をしても一向によくならず、朱雀院(光源氏の異母兄)に仕える朝臣が、梓弓の音で死霊や生霊を呼び寄せる呪能者の照日巫女に命じ、物の怪の正体を占わせた。

 すると六条御息所の生霊が破れ車に乗って現れ、光源氏の愛を失った悲しみと恨みを晴らすようにして葵上を枕元で責めさいなみ、幽界へ連れ去ろうとする。(中入)

 左大臣家は急ぎ下人を使い横川小聖という行者を呼び寄せる。横川小聖が怨霊を追い払おうと祈祷を始めると、鬼の姿になった六条御息所が現れ激しく争う。

 六条御息所はついに法力に祈り伏せられ、ふと我に返って気づいた浅ましい我が姿を恥じ、最後は心を和らげ成仏するのだった。

 上演に先立って、梅内美華子さんの解説がありました。長くなりましたので、次の記事に書くことにします。