冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

常念岳〜大天井岳〜燕岳を縦走しました その3

 翌朝、ご来光を拝んでから、

1_20200924213901

 

 燕山荘を5時半に出発して、燕岳(つばくろだけ)山頂に登ります。

 

Photo_20200924214001

 

 着いたのは6時10分。風が強くて寒いです。ここにも360度の景観が広がり、槍が岳が見えます。

 

Photo_20200924214201

 

 雄大な景色を背景に、眠そうな顔をした私。

 

Photo_20200924213901

 

 燕山荘に戻り、7時に出発。中房温泉へ下って行きます。標高差1256m、距離は4.3km。傾斜のきつい下りです。足が疲れきっているので、怪我をしないように気をつけて歩きました。ユコリンさんとムラちゃんにはずっと遅れがちでした。平日なのに、若いカップルやグループがたくさん登ってきて、たびたびすれ違います。急登を軽々と登っていく姿を見ると、羨ましくてしょうがありません。もっと早く山歩きを始めればよかったなー、なんて思ったりもしました。

 4時間近くかかって、10時50分に中房温泉に到着。素朴な雰囲気の温泉があるので入りました。露天風呂です。外気は冷たく、お湯は熱めで、とても気持ち良かった! 疲れが溶けていく気がしました。そして湯上りに生ビールで乾杯。ゴールした後のビールの美味しさは格別です。

 JR穂高駅までバスに乗り、大糸線松本駅に出て、駅前でお蕎麦を食べ、高速バスで大阪まで帰りました。

 これからの課題が見えてきました。一つは、重いザックを背負ってももっと平気で歩けるように、普段からトレーニングすること。「ボッカトレーニング」といいます。

 もう一つは、夜よく眠れないのをなんとかしたい。もともと枕が変わると眠れないたちで、1泊目のホテル、その後の山小屋2泊とも、入眠剤を飲んで寝たのになかなか寝付かず、やっと寝付いても2時間ほどで目が覚めて、あとは半睡半醒で2時間ほどを過ごして朝を迎えました。眠れなくても、目を閉じて横になっているだけでも疲れは取れる、という説もあるようですが、私の実感では眠れたのと眠れなかったのとでは疲労の回復の度合いがまったく違うのです。なんとかして、もう少し長い時間眠れるようになりたいです。

 とはいえ、そんな寝不足続きの状態でアップダウンの山道を長い距離、歩き続けるなんて、1年くらい前の私には考えられなかったことです。ヘロヘロになりながらも歩ききることができたのは、それだけ体力がついてきたということなのでしょう。

 Eテレの「日本百名山」という番組でアルプスの山々を見ては「いつかあんなところに行ってみたい」とずっと思っていましたが、この山行から帰ってからは、「ああいう景色、見てきたなあ」に変わりました。その景色の中に身を置いたとき、自分の五感が感じ取っていた、何か途方もないものがあって、言葉ではうまく言い表せないのですが、その感覚だけは今もふと蘇ってきます。