冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

岩場歩き講習会

 十日ほど前の話です。所属している山の会で「岩場歩き講習会」が開かれたので参加しました。本来は、夏山例会(日本アルプスの山へ2泊3日で新米を連れて行ってくれる例会)参加希望者向けに行われている催しです。この夏はコロナの関係で夏山例会は中止になったのですが、岩場歩き講習会は予定どおり開かれました。

 阪急電車芦屋川駅を出発して、高座の滝を通り、地獄谷へ。何とも恐ろしげな名前です。ここを歩くのは初めてでした。傾斜のきつい岩場をずんずん登り、雨続きで水量が増した沢(小さめの川)を何度も渡りました。小さな滝のすぐ前を渡る所もあって、靴ばかりか衣類もびっちゃんこ。でも、すぐに乾きました。

 利き足(私は右)をぐんと上げて岩の足がかりに乗せ、両手で岩をつかんで、ぐっと体を持ち上げる、という動作を何度も繰り返します。右足の位置が高いと、体が持ち上がりません。ひえー、どうしよう! という場面では、すぐ後ろを歩いていたリーダーさんが軽くお尻を支えて押し上げてくれました。ありがたい! 体が持ち上がらないのは、腹筋とお尻の筋肉が弱いからだそうです。もっと鍛えなくては。

 途中、ロープとハーネスの扱いを教わったり、切り立った岩場をトラバースする(水平に歩いて行く)練習をしたり。そしてたどり着いたのが岩梯子(いわはしご)です。垂直とまではいかないけれど、かなり急な角度でそびえる岩場を登るのです。ここが本日のハイライト。足がかり、手がかりは意外とわかりやすく、最後に岩と岩の間の狭い空間を潜り抜けるのも何とかクリアできました。やった!

 ここでお昼休憩です。ところが、午後は、この岩梯子を下るというのです。下りは登りより怖いです。「帰らせてもらいます」と言いたくなりましたが、そういうわけにもいかず、チャレンジ。登りではすんなり潜れた穴でしたが、今度はザックが引っかかって難儀しました。足場も見えないので、手探り足探り。やっと降り切ったときにはしんそこほっとしました。ここからまた岩場の続く道を歩き、高座谷を経て芦屋川へ。

 ゴールに到着したときのうれしかったこと! 充実感、達成感を味わいました。私のようなへっぽこでもちゃんとサポートして、最後まで怪我もなく歩かせてくださったリーダーさんやサポーターさんたちに感謝です。

 翌日は久しぶりのひどい筋肉痛。とくに痛かったのは太ももと腕の内側です。6月14日に山の会の例会がようやく再開されて、初めて参加した例会でしたから、余計にきつかったのです。でもこれで、また少し筋肉がついたかなと思うとうれしくて、またすぐにでも山に行きたくなりました。