冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

帯状疱疹 その3

 帯状疱疹という診断が下りてから、バラシクロビルを飲んでいた5日間の間に、倦怠感がだんだん強くなって、日によっては昼間も横になってしまうほどでした。痛みは、初めは胸の右側だけだったのに左側も痛くなってきました。普通、帯状疱疹は体の右側か左側かどちらか一方に出るものらしいので、これは謎でした。ちなみに「帯状」というのは、例えば私の場合、右の胸から脇、背中の右側にかけて発疹が出たように、体を帯のように巻く感じで症状が出るからです。

 バラシクロビルを飲み終える5日目に受診。ここからは神経性の痛みを和らげる薬「タリージェ」を1日1回、痛み止めの「ロキソニン」とロキソニンが胃を荒らすのを防ぐ「レバミピド」をそれぞれ1日3回食後に飲むことになりました。

 この処方で胸の左側の痛みは消えたけど、右側から脇の下までが痛い。時間帯によっては胸の中心部がどーん、どーんと痛みます。痛みの程度は日増しに強くなってきて、思わず「い、いたい!」と声を出してしまうこともたびたびでした。

 耐えきれず、3日後に受診すると、タリージェを1日2回(朝晩の食後)に増やしてくれました。ところが、それでも夕方4時ごろになるとひどく痛むのです。朝飲んだ薬の効き目が切れるのでしょう。タリージェを1日3回にしてもらえないかと思って、翌日また内科に行くと、ボルタレンの飲み薬を処方されました。ロキソニンより効き目の強い痛み止めで、痛いときに飲みます。即効性はロキソニン、持続時間の長さはボルタレンのほうが優れているそうです。タリージェは副作用でふらつくことがあるので、高齢者の場合、転んだりして危険だから増やさないほうが良いとのこと。

 ここまで痛みのコントロールがうまくいかず悩みましたが、痛み出す時間を見越して早めにボルタレンを飲むようにしてから少し楽になりました。

 帯状疱疹とわかってから十日を過ぎた頃、胸の右側に新しい発疹ができました。ざらついた感じで膨らみがなかったし、痛みもないので様子を見ていたら、3日後くらいから痛み始めて、また受診。バラシクロビルで抑えられていたはずのウイルスの活動がまた活発になって、再発したらしいです。ショック!

 実はこの間に一度、体調が良かった日にジムで運動をしたのです。「じっとしているよりは軽く運動したほうが血行が良くなって早く治る」とネットで読んだからです。ストレッチくらいにしておけばよかったのに、脈拍数が20以上も上がる有酸素運動を30分近くやってしまいました。運動後、いつもはすっきりして気持ちいいのに、この日は気持ちいいのと気持ち悪いのと半々くらいでした。後日、薬剤師さんに聞いたら、帯状疱疹にかかったら基本は静養で、運動が良いと言ってもせいぜいゆっくり歩くくらいなんだそう。気持ち悪くなるほど運動するなんて、バカでした。一度運動したからといって必ず再発するわけではないでしょうけど、もともと体力がないのに、体力バリバリの人のような振る舞いをしたのはやっぱりバカでした。

 ウイルスの活動を抑える薬を再び飲むことになりました。バラシクロビルはもう使えないそうで、「アメナリーフ」という薬を処方されました。1週間、毎日朝食後に飲みます。この薬はわりと最近承認された新しい薬で、値段がとても高い。たいていの薬は後発薬(ジェネリック)があり、そのほうが安いのでそちらを選んでいたのですが、アメナリーフには後発薬がないのです。

 今まで骨粗鬆症で毎日ビタミンDを1粒飲んでいただけだったのに、飲む薬の種類が一気に増えてきて、「急に高齢者らしくなったなあ」とため息が出ました。