冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

安ワインにもそれなりの

 用事で大阪に行き、ひと段落すると4時過ぎ。小腹が空いて、通りがかった小さなお店の「ビール&ワイン」という看板に惹かれて入りました。外から見たところ、女性客が4、5人いたので入りやすかったのです。

 カウンターに座ると、ウェイトレスさんが来て、「飲み放題コースになさいますか?」。グラスワインを2杯もいただけば十分、と思っていたので、「いえ、そんなには」と断りました。
 
 ところがメニューを見てみると、


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 飲み放題コースというのは、ワインは30種類から飲み放題。小皿料理を2皿(お通し)で380円。30分コースだと時間制限は30分で500円なのだそうです。
 どのみち長居をする気はないし、ハウスワインを2杯飲んで、小皿料理(タパス、アヒージョのたぐい)を2種類くらいオーダーすると、結局値段は同じくらいになり、ワインの選択肢が幅広い分だけ、「飲み放題コース」の方がお得なのだとか。
 そう聞いて、そちらに決めました。

 小皿料理はメニューの中からアボカドポテトとトマトジュレを選択。ワインは赤か白、甘口から辛口まで10段階に分類したものの中から赤の辛口寄りの6〜8あたりを、とお願いしました。

 運ばれてきたのはこちら。

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 左は見たことのあるラベルです。葡萄の品種は右がカベルネ・ソーヴィニョン、
左はピノ・ノワールらしい。左はチリ産で、右のは忘れました。
 普段、晩御飯にワインを飲むときに買ってくるような、1本1000円程度のお酒です。それなりに美味しい。

 でも飲んでいるうちに物足りなく感じられたので、一番辛口の9、10のワインを頼んだら、この3本が並びました。

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 オーストラリア、南アフリカ、そしてチリ産のワインです。飲み比べると少しずつ味が違います。ほどほどに美味しく、まあこの値段ならこんなものかな、というところ。

 グラスはいくつも用意してくれるので、次々に新しいグラスにワインを注ぎます。グラスに3分の1くらいでしたが、5種類飲んだらほろ酔い機嫌になりました。
 時間はまだ余っていたので、ウェイトレスさんが「もっとほかのをお出ししましょうか」と聞いてくれましたが、もう十分でした。これでお勘定は950円です。

 安くてもそこそこの味で、普段に飲むには十分。それなりに満足なのだけれど、そのクラスのワインばかり飲むと、飽きてしまい、もっと美味しいワインが飲みたくなってきました。

 40代の頃には(たいていは姉のおごりで)かなり高級なワインを何度も飲んだことがあるのです。産地や葡萄の品種によってそれぞれ異なる、個性的な香り、深い味わい。美味しかったなあ。
 安いワインを5種類も飲んだおかげで、かえって上等のワインが恋しくなってしまいました。そんな機会はなかなかないのですけれどね。


    安ワインにもそれなりの春の宵