冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

大門石仏群と岩船寺、浄瑠璃寺を訪ねて

 日曜日に山の会の例会で京都と奈良の境目あたりに行ってきました。近鉄奈良駅からバスに乗り、浄瑠璃寺口で下車。ここから歩いていくと道沿いに石仏や磨崖仏がいくつも見られました。

↑ 線刻なのでほとんど消えかかっています。

 CLさんがスポットごとに立ち止まって解説してくださるので、興味深く拝見できました。ほとんどは鎌倉時代に京都の名工の手で彫られたものだそうです。長い年月の間、地元の方々が保存に尽力されてきたおかげで今も残っているのだとのこと。

 岩船寺は門の前から塔を見ただけで通過して、浄瑠璃寺へ。春は馬酔木(あしび)の花の名所です。

 たくさん花がつき過ぎて重そう。

 ピンクの馬酔木も咲いていました。

 拝観料400円を払って入りました。本堂で九体阿弥陀如来像(国宝。二体は貸し出し中で七体だけでした)を拝見して、三重塔へ。

 とても美しい塔です。

 池を挟んで向こうに見えるのが本堂です。

 浄瑠璃寺には、はるか昔の高校生の頃、仲の良い友達と二人で来たことがあります。当時は訪れる人も少なくひっそりとしていて、秘仏吉祥天女像(重要文化財)も拝見できたと記憶しています。今は年に3回、期間限定で公開されていて、この日は見ることができませんでした。

 奈良や京都のお寺を一緒に訪ね歩いたその友達は、40代のうちに病気で亡くなってしまいました。初めて浄瑠璃寺を訪れたあの頃、50年以上も経ってから山の会の人たちと再訪することになるとは想像もしませんでした。

 快晴で、気温もちょうど良く、絶好のハイキング日和。山ではなくて、一部で少し傾斜のきつい階段や坂道を登っただけでしたが、距離は8km以上歩いたし、良い運動になりました。

 何カ所か道端に無人の野菜販売所があったので、フキノトウを100円で買いました。浄瑠璃寺前の鄙びたお店では自家製の日野菜(ひのな)の漬物や梅干しも買って、ザックが重くなりました。歩きながら、つくしやよもぎを摘む会員さんもいて、季語で言う「野遊び」「摘草」の楽しい1日でした。