冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

山の辺の道 16km

 30日(木)に山の会の例会で奈良の山の辺の道を歩いてきました。約16kmの行程です。

 近鉄電車の桜井駅を下車して歩き始めます。初めは舗装路が多くて足が疲れました。やがて、桜並木の土手に出ました。

 大神(おおみわ)神社。とても立派です。たまに能の公演が行われるのですが、残念ながら私はまだ見たことがありません。

 この辺りの「三輪の里」はそうめん作りで有名です。文楽の「妹背山婦女庭訓(いもせやま おんなていきん)という大作では、三輪の里の造り酒屋の娘、その名も「お三輪」の悲恋が描かれています。

 桧原神社を経て、昼食場所の天理市トレイルセンターを目指しました。のどかな田園風景が広がります。

 道すがら、いろんな花が咲いていて、植物に詳しい友達が名前を教えてくれるのですが、ちっとも覚えられません。

 道端に無人の農作物販売所が先日の浄瑠璃寺近辺よりもっとたくさんあり、見つけるたびに老若男女ならぬ老老男女がわらわらと寄って行っては何やかやと買い込みます。新鮮なハッサク(3個入り袋)、デコポン(いくつか入っていました)、いちごのパック、干し大根、わけぎ、レタスなど、大抵は100円で、超お買い得でした。私は干し大根とよもぎ大福、レモン2個入りの袋を買いました。

 昼食後もよく歩いて、歩き疲れた頃、石上(いそのかみ)神宮に到着。清澄な空気が感じられました。境内には鶏が放し飼いにされています。種類はさまざま。神の使いとして大切にされているのだそうです。元気で人懐こく、羽の色がつやつやして美しい。

 天理駅から近鉄電車に乗って帰りました。足が疲れてしまい、石上神宮から天理駅までの約30分の遠かったこと!

 山の辺の道にはずっと前に2度、来たことがあります。見渡す限りの田んぼや畑の間を縫うようにして土道を歩いたのを覚えています。平和で豊かな田園風景でした。

 久しぶりに訪れてみると、ずいぶん人家が増えていました。それは仕方がないとしても、あちこちに耕されていない、荒れた畑が見られることが気になりました。日本の農業従事者の平均年齢は70歳を超えている上に、昨年からの肥料や農薬の高騰で農業をやめる人が続出しているのだそうです。これからますます野菜や果物の値段が上がっていくかもしれません。