冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

12月の句会

 月1回の俳句講座、12月は句会です。兼題は「大根」「みかん」、そのほか自由で、冬の季語です。

 出席した受講生は7人。1人3句まで投稿できます。私が投稿したのは次の3句でした。

    1 更ける夜の姉とみかんとマンガ本

    2 娘らの腓(こむら。ふくらはぎのこと)のごとく大根(だいこ)並ぶ

    3 ゆづくんの切れ長の目や冬銀河

 先に受講生が佳作2句と特選1句を発表し、感想を述べます。1と2の句はそれぞれ1人が佳作に選んでくれましたが、3は音沙汰なしでした。

 次に先生が佳作5句を発表、講評もされました。5句の中に1の句も入っていました! 「季語のみかんを強調する語順を工夫してください。このままだとマンガ本のほうに重点が置かれています」とのこと。なあるほど。

 続いて先生の特選3句の発表と講評です。1句目はSさんの句

    大根をおろしつテレビのデモ激し

 この句を選んでいたのは私だけでした(佳作でしたけれども)。少しは鑑賞眼ができてきたのかなあとほくほく。先生は「大根おろすテレビにデモ激し」と添削されました。

 2番目の特選は、なんと、私の3の句でした! 先生、「いい句です。どうして誰も選ばなかったの」。そんな風に言っていただけて、飛び上がるほどうれしかった! この時点では作者の名前は伏せられているので、「どなたの作ですか」と聞かれて名乗るときのうれしかったこと! 講評では、例えば自選句集を作ることになって、この句が数十年後、100年後にも読まれることを考えると、「ゆづくん」という固有名詞は敢えて避けて、例えば「アスリート」「スケーター」というような言葉に置き換えたほうが良い、とのお話でした。

 この句、実はまったく自信がなかったのです。3句のうちに入れるか入れないか、最後まで迷ったほど。先生には採ってもらえないだろうなあと思っていました。今回も予想が大外れで大喜びです。

 残る特選の1句はこれもSさんの句。

    柿落葉ひろう子の大きランドセル

 先生は

    柿落葉をひろう子大きなランドセル

と添削されました。

 2の句は「大根足」と若い女性の足が揶揄されるのとは逆に、大根の美しさ、若い女性の足の溌剌とした美を詠んだつもりでしたが評価されませんでした。

 今回でこの講座の受講を辞めることにしました。授業が終わってから、先生にそのことをお伝えしてお礼を申し上げましたら、「これからもゆっくりでいいですから、続けてください。『才能あり』ですから」と言っていただきました。またまた飛び上がるほどうれしかったです。最上級のはなむけの言葉!

 新年からどうするか、まだ決めていません。私は趣味が多過ぎてお金を使い過ぎなので、なるべくお金のかからない方法で続けようと、そればかり考えていましたが、先生のはなむけの言葉を聞いて、少し欲が出てきました。やっぱり質の良い刺激を受け、向上できる場に身を置きたい。少々お金がかかっても…?

 急がなくてかまわないので、じっくり考えるつもりです。