冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

省エネで煮物にしっかり味を染み込ませるには

 前の記事で少し触れたように、義母(昨年亡くなりました)はとても聡明な人で、生活の知恵を豊富に持っていました。教えてもらって、今も実行していることがあります。

 その一つは、省エネで煮物にしっかり味を染み込ませる方法です。今は大根の美味しい季節なので、大根と豚肉、大根と鳥手羽、大根と厚揚げなどで、よく煮物を作ります。そのとき、調味料を入れてから、長い時間、弱火でコトコト煮続けなくていいのです。

 義母に教えてもらった方法は次のとおりです。まずバスタオルを用意します。あとは具材を煮て味付けをして火が通ったら(菜箸や金串を突き刺してみて、中まで柔らかくなっていたら)、鍋を火から下ろして、バスタオルで包むだけ。テーブルの上に置くのだったら、鍋敷きを置いて、その上にバスタオルを二つ折りにして広げ、そこへ鍋を置いて、バスタオルで四方から包むようにするといいです。

 煮物に味が染み込むのは、ぐつぐつ煮ているときではなくて、冷めていくときなのだそうです。バスタオルで包むと保温されるので、時間をかけてゆっくり冷めていき、その間にじんわりと味が染み込むのです。寒い季節におすすめの方法です。気温が高いときは、この方法だと雑菌が増えやすい温度が続くので、おすすめできません。

 この方法で煮物を作ると、ガス代も手間も少なくて済むし、仕上がりに失敗がありません。薄味でもしっかり味が染みてとても美味しいです。味付けに自信が持てないときは、冷めてから味見をして、薄すぎたらもう一度煮立てて調味料を足し、またバスタオルでくるみます。私はおでんやおせちの煮物を作るときもこのやり方です。