冬すみれ雑記帳

山を歩いたり、お能を見たり。

能・狂言

京都観世会館配信のユーチューブ

京都観世会館が謡や仕舞を無料配信しています。「高砂」(結婚式で「高砂や〜」と謡われることのある、とてもポピュラーな曲です)を素謡で何人もの能楽師が一部分ずつ語ってリレーしていくというシリーズのほか、<きょうの能楽師>仕舞編というシリーズも…

能楽師のぱるおくん、動画で奮闘中

19日に紹介した動画の話の続きです。 その後、こんな動画 を見つけました。金春飛翔(ひかる)くん、愛称「ぱるお」が奮闘しているのですが、脱力感満載で、見ていて気持ちよく笑ってしまいます。若い能楽師にはこんなゆる〜い感じの人もいるんだ! と、感動…

能楽師がUチューバーに?

こんな動画 を見つけました。 こちら が第1回のよう。 若手の能楽師3人(流儀はそれぞれ異なります)がZOOMを使ってトークイベントを開いています。名前は「ゆとりのかい」で、無料で視聴できます。一つ目は宣伝用に作られたもののようです。二つ目のが初め…

能のイベントがオンラインで見られる!

古典芸能の舞台を見ることができなくなって、はや3カ月目。飢餓感は増すばかりです。昨夜、能関係のイベント予定を一覧で見ることのできるサイト「能楽(能・狂言)公演情報」で京都と大阪のイベントを調べました。多数のイベントがアップされているのですが…

歌舞伎と能をUチューブで楽しむ

新型コロナの影響で古典芸能も公演はすべて中止になり、一時は寂しい思いをしていましたが、Uチューブで無料配信されるものが出てきて、楽しませてもらっています。 昨日は歌舞伎の「スーパー歌舞伎セカンド オグリ」を見ました。主役は市川猿之助と中村隼人…

能「蝉丸」(金剛能楽堂)

21日(土)、TTR能プロジェクト京都公演「蝉丸」を金剛能楽堂で見ました。 「TTR能プロジェクト」は小鼓幸流・成田達志さんと大鼓大蔵流・山本哲也さんがプロデュースする能の公演プロジェクトです。門閥や所属地域を超えた実力主義による配役が行われるのが…

能「浮舟」「紅葉狩」(京都観世会館)

山歩きのことを書き終えていませんが、今日観た能「浮舟」「紅葉狩」について、記憶が新しいうちに記しておきます。会場は京都観世会館です。 プログラムは能「清経」、狂言「腰祈」と続いて、20分の休憩。能「浮舟」、休憩15分。仕舞3曲、能「紅葉狩」でし…

能「三井寺」(京都観世会館)

京都観世会9月例会に行きました。能3曲(「錦木」「三井寺」「天鼓」)、狂言1曲、仕舞4曲が上演されました。この日の私の一番のお目当ては「三井寺」。これが期待以上の素晴らしさでした。主な出演者は次のとおりです。 シテ 片山九郎右衛門 ワキ 宝生欣…

大倉流祖先祭(大倉源次郎さんお社中会。大槻能楽堂)

昨日も大槻能楽堂に行ってきました。「大倉流祖先祭」。中身は小鼓方で人間国宝の大倉源次郎さんのお社中会です。私が習っている素人義太夫でも、年に一度、社中の発表会が催されます。義太夫を語るのは素人弟子ですが、三味線は文楽劇場のプロの三味線弾き…

義太夫と能で「小鍛冶」そのまたつづき

休憩を挟んで、能「小鍛冶」が始まりました。 これが興奮してしまうほどの素晴らしさでした。大鼓と小鼓の最初の一打から「なんてかっこいいの!」とゾクゾク。この音の響きが、そのあとの舞台の性質を象徴していました。普段は見どころの少ないワキが、大小…

義太夫と能で「小鍛冶」さらにつづき

遅まきながら「小鍛冶」のあらすじを紹介します。以下、当日配られた資料から引用します。 一乗院に仕える橘道成が、三条の小鍛冶宗近の私宅に赴き、御剣を打てとの勅命を伝える。自分に劣らぬ相槌がおらず、返答しかねる宗近に重ねて宣旨が下り、進退窮まっ…

義太夫と能で「小鍛冶」(大槻能楽堂)

31日(金)の夜、大槻能楽堂でろうそく能「小鍛冶」が上演されました。能の「小鍛冶」に先立って素浄瑠璃で同じ演目が上演されるというプログラムです。私の師匠、豊竹呂太夫が語られるので、見に(聞きに)行きました。 この公演、人気が高くて、チケットは…

能「加茂」「小袖曽我」(金剛能楽堂)つづき

まず、あらすじから(当日配られた資料からお借りしました)。 富士の裾野での巻狩り(四方から取り巻き獲物を狩る)で父の敵・工藤祐経を討つことを決意した曽我十郎・五郎(シテ ・シテ ツレ)の兄弟は母(ツレ)にそれとなく暇乞いにやって来ます。母は喜…

能「加茂」「小袖曽我」(金剛能楽堂)

土曜日、ふと思い立って京都の今出川にある金剛能楽堂へ。定期能(今年に入ってから第5回だそうです)を拝見しました。 見たかった曲は「加茂」。上賀茂神社、下鴨神社の由来を内容としています。登場人物が神様の「神能」。この分野が私は大好きです。 [E:#…

「古演出による 葵上」さらにつづき

休憩の後、公演が始まりました。 後見が正先に病床に臥す葵上を表す小袖を置きます。ここは通常のバージョンと同じです。次に照日の巫女、続いて朝臣が現れるのが通常ですが、今回はまず朝臣が登場しました。そして名ノリで自分は朱雀院に仕える臣下であるこ…

「古演出による 葵上」つづき

上演に先立って、梅内美華子さんの解説がありました。詳しくて行き届いた解説でした。 印象に残った部分を記しておきます。 ・六条御息所はなぜ生霊となったか。光源氏への恋慕、光源氏が自分から離れて行く悲しみ、それゆえの(「車争い」をきっかけにして…

能「古演出による 葵上」

昨日、大槻能楽堂で能「葵上」を見ました。「古演出による」という小書が付いています。出演者は次のとおりです。 前シテ 六条御息所の生霊、後シテ 六条御息所の怨霊 浅見真州(まさくに) ツレ 青女房 浅見慈一、竹富康之、大槻裕一 ワキ 横川小聖 福王茂…

有斐斎弘道館で謡のお稽古

去年に引き続き、今年も京都の有斐斎弘道館で謡を習い始めました。月1回、日曜日の夜7時から1時間のクラスです。 講師は林宗一郎さん。観世流シテ方能楽師の家柄、林家の若きご当主です。舞台で拝見するとほっそりして見えるのですが、間近で接すると引き締…

「春の素謡と仕舞の会」(京都観世会館)

素謡は能を一曲全部、囃子方抜きで語るもの。仕舞は見どころを地謡付きで(囃子方抜きで)シテが一人で紋付袴姿で舞うものです。 前は「素謡と仕舞の会」に行こうなんて思いもしなかったのに、大槻能楽堂の素謡「屋島」以来、素謡という上演形式がすっかり気…

能「翁」「高砂」(クールジャパン大阪TTホール)

3月1日(金)、クールジャパンパーク大阪のTTホールで開場記念公演の祝賀能が上演されました。演目は能「翁」と舞囃子「高砂」でした。 このホールは環状線の大阪城公園駅と森ノ宮駅の中間くらいの場所に新しくできたもので、私は初めて行きました。一度に3…

能「烏帽子折」(京都観世会館)

「烏帽子折(えぼしおり)」のあらすじです。 京都で貴重な品々を買い込んだ商人の吉次(ワキ)・吉六(ワキツレ)兄弟は東に向かって旅立つ。そこへ一人の少年(子方)が来て、旅の道連れにしてほしいと頼む。この少年、実は鞍馬山を飛び出した牛若で、追わ…

能「弱法師」(普通バージョン、京都観世会館)

土曜に続いて日曜も観能でした。京都観世会二月例会。プログラムは、 能 弱法師 狂言 二九十八 能 源氏供養 仕舞 白楽天 笹之段 須磨源氏 能 烏帽子折でした。 「弱法師」は先日の大槻能楽堂での公演とは異なり、普通バージョンです(「普通バージョン」とい…

能「屋島」(大槻能楽堂)

土曜日に大槻能楽堂で「屋島」を見ました。「大槻能楽堂自主公演能」という定例の公演で、去年の早い時期から告知されていました。 私は大槻能楽堂の友の会に入っているので、早めにチケットを取ることもできたのですが、ごく最近までこの「屋島」という曲に…

俊徳丸伝説

「弱法師」に出てくる「俊徳丸」という人物は古い説話の主人公です。ウィキペディアには、 河内国高安の長者の息子で、継母の呪いによって失明し落魄するが、恋仲にあった娘・乙姫の助けで四天王寺の観音に祈願することによって病が癒える。 この題材をもと…

能「弱法師」(世阿弥自筆本、大槻能楽堂)

素謡「屋島」に続いて能「弱法師(よろぼし)」が上演されました。主な出演者は次のとおりです。 シテ 大槻文藏 ツレ 武富康之 ワキ 福王茂十郎 ワキツレ 是川正彦 同 喜多雅人 大鼓 山本哲也 小鼓 清水晧祐 笛 赤井啓三 間(アイ) 茂山七五三 同 茂山千三…

「弓流し」とは+景清、阿古屋

義経の亡霊が語る「弓流し」の話とは? 以下、謡の詞章から説明します(私の意訳です)。 屋島の戦いでは源氏方は陸におり、平家方は海に船を浮かべていました。そのさなか、義経は弓を取り落としてしまいます。 弓は波に流されて平家方の船に近づき、平家の…

素謡「屋島」(大槻能楽堂)

昨日、大槻能楽堂で大阪観世会定期能を見ました。大槻文藏さんがシテを務める「弱法師(よろぼし)」を見るのが主な目的でした。 開演後、最初の曲は「屋島」の「素謡」でした。これがとても面白かったので、まずここから書くことにします。 「素謡」という…

金剛能楽堂で今年三度目の「翁」

先月27日(日)、京都の金剛能楽堂で「翁」を見ました。金剛流の「翁」は私が今まで見てきた観世流の「翁」とは少し違っていました。 観世流では鏡の間で切火をしてから(客席からは見えません。火打石を打つカチカチという音だけが聞こえます)、揚幕の客席…

能「羽衣 彩色之伝」(京都観世会館)ほか

狂言「鎧」の途中で席に戻りました。「鎧」が終わって20分の休憩の後、仕舞二曲。「屋島」浦田保浩、「野守」杉浦豊彦、でした。 この後、この日一番見たかった「羽衣 彩色之伝」が始まりました。主な出演者は次のとおりです。 天人 観世清和 漁夫白龍 福王…

今年二度目の「翁」(京都観世会館)

13日(日)、久しぶりに京都観世会館へ。「京都観世会一月例会」を見に行きました。目的は「羽衣」を見ることでしたが、最初に「翁」が上演されたので、今年二度目の「翁」を拝見することができました。 主な出演者は次のとおりです。 翁 大江又三郎 三番三 …